ショート✕ショート -小荷駄隊-

個人的な書物。ショートショート

ありふれた日曜日

 いつもと変わらない日曜日。エム氏は、いつも通り何かを探している。
 普段と変わらぬように行動しているが、時に、すれ違う人をメガネの影から横目で気づかれないように観察している。

 エム氏は、とても特殊で高価な高性能のメガネ
をかけている。フレームの横のボタンを押すと、熱感知メガネに早変わりするし、ボタンを2回押すと、写真や動画も撮れるようにもなっている。

 また、エム氏の上着も特殊な装置が付いており、近くの金属を探知できるようになっていて、周辺の匂いも細かく検証できるようになっている。
 
 そんな装備をしながら、エム氏は平静を装い何かを探している。経験も豊富なので、探し物は勘で大体わかるようになっているらしい。もっとも、その瞬間まで“待つ“のが大事な事だと言っているが。

 すると早速、エム氏は気になっていたと思われる1人の女性に声をかけた。
 「事務所でお話しましょう。お済みでないモノがあるでしょう。」

 巧妙化する手口に負けては居られない。エム氏は今日も普段と同じように万引きを取り締まる。