ショート✕ショート -小荷駄隊-

個人的な書物。ショートショート

夢カプセル

 ピー氏は最近なにかと忙しい。職場では大きい案件を任されるようになったし、家庭では家事と子育てを手伝っている。

 収入も悪くないから、たまに行けるショッピングでストレスを発散している。ところが、ここ最近忙しくなった事でショッピングに行けていない。

 このままじゃお金を稼いでも、ピー氏はストレスが発散できない。そう思ったピー氏は、眠っている時間を活用しようと、オー博士を訪ねた。

 「仕事は順調かい?それよりどうしたんだい?」
 「お陰さまで忙しいです。ところが、時間がなくてストレスが発散できません。なにかイイ薬はありますか?」
 「それなら開発したての“夢カプセル“を飲むといい。これは、夢の中で自由に動けるクスリだ。夢の中で意識はあっても身体は休息しているから大丈夫。」
 「なんて素晴らしいクスリだ!さっそく下さい。」

 ピー氏は、夢カプセルを酷く気に入り毎日夢の中でストレスを発散した。買い物や旅行まで思い通りの夢の中は、良いストレスの発散口になった。

 一ヶ月も過ぎた頃、クスリの支払いのためにオー氏のもとを訪れたところピー氏は後悔した。

 「幻想の代価はショッピングより高くつくのか、、、。」