夢カプセル
ピー氏は最近なにかと忙しい。職場では大きい案件を任されるようになったし、家庭では家事と子育てを手伝っている。
収入も悪くないから、たまに行けるショッピングでストレスを発散している。ところが、ここ最近忙しくなった事でショッピングに行けていない。
このままじゃお金を稼いでも、ピー氏はストレスが発散できない。そう思ったピー氏は、眠っている時間を活用しようと、オー博士を訪ねた。
「仕事は順調かい?それよりどうしたんだい?」
「お陰さまで忙しいです。ところが、時間がなくてストレスが発散できません。なにかイイ薬はありますか?」
「それなら開発したての“夢カプセル“を飲むといい。これは、夢の中で自由に動けるクスリだ。夢の中で意識はあっても身体は休息しているから大丈夫。」
「なんて素晴らしいクスリだ!さっそく下さい。」
ピー氏は、夢カプセルを酷く気に入り毎日夢の中でストレスを発散した。買い物や旅行まで思い通りの夢の中は、良いストレスの発散口になった。
一ヶ月も過ぎた頃、クスリの支払いのためにオー氏のもとを訪れたところピー氏は後悔した。
「幻想の代価はショッピングより高くつくのか、、、。」